あしおとでドラマするビジュアルパフォーマンス「アートノカケラ」を振り返る(おどるなつこ編)

みたかった景色がある。

さまざまな野草が次々と芽吹く春、植物の勢いが地面を変えていく色彩。
それぞれの背丈で風に揺れる濃い緑色の夏、蝶やバッタの動きが入り乱れる野原。
秋の気配を連れてくるのはうるさいほどの虫たちの輪唱。さまざまな音色が広がる暗がり。
静けさとともに変わる空気の色。目に見えないけれど、始まりのための終わりの予感。

人がそんな自然の一存在として、それぞれの唯一無二を謳歌し、交歓する時空をみたい。

咲き乱れてわらう

人も、自然の一部として、ひとりひとりが違うからカラフルで美しく、それらが集まることで愉快さが生まれる。
多様性の尊重とは、そもそも命はひとつひとつ違う勢いを持ってこの世に生まれ出てそれぞれの花を咲かせていく、そのさまを楽しむこと。

私はどんな花を咲かせるんだろう?
本当は誰もが微かに感じているのかもしれない。
しっかりわかっていて、植物のように迷いなく環境にあわせて花を咲かせる人もいる。
その花が咲くことを信じられなかったり、違う花を咲かすと教わっていたり、そういうこともあるかもしれない。もしかしたら、ひとりの花を咲かすよりも集合体として混じることを選べるのも人なのかもしれないけれど。

それぞれの美しさを共通体験に

自らの中にあるそれぞれの美しい景色を誰かと共有するための方法を、踊り・音楽・ペインティングから探してみる。
ひとりひとりが共有した美しい景色を、集合体として俯瞰できる方法として、映像に記録する。

ひとりひとりの探したアートのかけら、それらを共通体験とし、そこで感じた価値観をひとりひとりの日常に持ち帰る

アートノカケラ

構成即興でお送りした「アートノカケラ」パフォーマンス。
即興とは、その瞬間その場所で、何かと何かが出会い、交流し、連鎖しながら生まれていく表現方法です。
時に停滞しポツンと困惑の時を過ごし、時に喜びが溢れ向かいの人に渡され、時に全員で意思を持って盛り上がったりしながら、それぞれがともに90分の時空を過ごしました!

このひと月にわたる毎週の遊びを心から楽しまれたみなさんとともに、なかなか実現し得ない時空が生まれたことに感謝しています!
私は同じ場にいて、やってみたい!という衝動の生まれる瞬間に乱入し、時にふとした停滞を過ごしている気配も感じながら、私自身の欲求に正直に遊んでいました。遊ぶことを怖がらなくていいよ!それが今回の全体を通して伝わっていったことは嬉しかったです。

参加者の皆さんとともに生み出された唯一無二の瞬間瞬間は、私にとっても本当に貴重な体験でした!

ぜひ!また、やりましょう!!!

集団パフォーマンスとして、私がみたかった夢にもかなり近く「ああ、最終的な終着地は天国だったんだなぁ!」と思いました。(まだね、現世の都合がちょっぴり残っていたかもしれないな…)というのが、演出振付として具体的に場を進めてきたおどるなつこ個人の感触です。でもそれも含めて、それぞれのやってみたいことが飛び出して影響を与え合う、素敵な瞬間にたくさん出会えました!まさにアートノカケラ!

ご出演ご協力の、参加者の皆様・ご家族・ゲスト指原一登さん/タブラ奏者・船木真那さん&大森あゆみさん/武松商事株式会社様、そしてこの場の実現に最大限の力をお貸しいただいた、主催の吉野町市民プラザの皆様に心からお礼申し上げます!
そして、楽しむためには力を惜しまない、あしプロスタッフ一同へも感謝を送ります!

おどるなつこ あしおとでつながろうプロジェクト代表・演出振付 

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