いそかつ「ルーティンに潜むアートノカケラ」開催後記

あしプロでは、知的障害といわれる反面にある感覚の豊かさを、2010年よりアート(タップダンス、ピアノ、絵画、映像出演、即興パフォーマンス)により積み重ねてきました。多様性理解から一歩進んだ関係性が生まれるこの共通体験を、日本各地とネット空間へ広げています。

中でもいそかつこと磯子区障害者地域活動ホーム様とは、コロナ禍より、リアルとオンライン、そして映像利用というハイブリッド方式で、さまざまな交流を試みてきました。

いつもの日々に潜むアートノカケラを探し出す!

知らない人と旅をともにするような、多様な人々で創りあうアート体験は、自分を知るヒントを得られる体験となります。環世界の概念のように、すべての人が違う感覚で世界を感じることを楽しみあい、それぞれの感覚が反射しあう瞬間を体感してみましょう!

「ルーティンに潜むアートノカケラ」

こだわり行動と言われる繰り返しは多くのアーティストにも備わっている感覚の一つです。ルーティン行動に潜むアート性を探し出し、表現に拡大してみることはできるでしょうか?
観察から交流に至るプロセスを共に楽しむことで、周りの人も環世界を体験する試みです。

おどるなつこと共振力の強いあしプロメッセンジャー1名が、日常活動の傍でダンスの公開稽古を展開。それを観察してもらった後、対象メンバーの側で共に時間を過ごし、独特な世界の見え方に同調してみます。

あしプロメッセンジャー:じぬっち
構成演出:おどるなつこ
制作・サポート:いとうすずの

9:45 JR磯子駅改札集合
10:00  会場入り
10:20~11:30 挨拶と公開稽古 スローモーション、ザフィールズ、日常活動の間で共に活動する
12:00~ お昼休憩
13:45~ 日常活動からアートノカケラ探し。粘土と金紙で「アートノカケラ」製作を依頼する。
15:00~ ストレッチ、ダンスの時間。即興の場、河童ブギウギ、お魚クイズ、動物クイズ。
15:40  片づけ
16:00 いそかつメンバー解散、あしプロ振り返り
17:00 磯子駅で解散

 

好きなポイントはどこにある?その安心はどんな感じ?
何をやりたいかなんてわからない。けれど素敵な体験をしてみたい!
外からはわかりにくい、それぞれの欲求と出会う!

その様子を動画に記録し、起きていたことを検証してみる試みです。

フィードバックはどのように?

言語をあまり用いない非言語コミュニケーションの空間では、とても細やかな物音が雄弁に環境を作っています。色鉛筆を転がす音、レゴブロックの音、体を叩く音や軋む椅子、それぞれのうめきや呟き。私たちはそれらの音も記録、動画での検証をこれから行ってフィードバックをしていくところです。

・ずっと揺れてる人、正面に立って同じようにゆれ「ぎったんばっこん」。スタッフが大きく息継ぎすると「にや〜り」!ゆっくりなゆれ、小刻みな縦揺れ どちらもまねっこ。止まるとはんのうをちらりよこめでみる。小さく歌っている。
・木琴タップに興味津々の人が反応して机を叩くと、鉛筆をカラカラ落とし続けていた人が「こんこんこんこんうるさい」と大きな声をだす。
・クルクル回り続ける人は、誰にもぶつからない。一定な音程で出す声にはフレーズ感があり、まねて声を重ねると笑顔がみられる。
・粘土、シュレッダー、タイル絵、一定の作業のクオリティの高さが驚くほど。

いそかつInstagram

とても嬉しかったのは、普段見られないという方の笑顔がちらほら見られたこと。
振動を共振していくことが喜びにつながっていきました。

↑↑↑ぜひいそかつInstagramの写真をご覧ください!

このような試みは、今回はいそかつ様とマグカル展開促進補助金によって実施いたしましたが、今後、あしプロデジタルギフトとして、企業様にご支援いただき継続開催していければと考えております。
非言語コミュニケーションが広まることで、生きやすくなる人が増えるかもしれません!

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