豊岡演劇祭「To know あなたが何かを知るために」報告

9/17,18(土日)豊岡演劇祭2022フリンジセレクションとして出演してきました「To know あなたが何かを知るために」公演が無事終演しました!
さまざまにご協力くださった平田オリザ氏はじめ演劇祭実行委員会の方々、遠方から気にかけていただきました多くの方々、本当にありがとうございます。
おかげさまで、小さくて細やかな挑戦のひとつひとつが豊かに実り、アート×福祉として、また社会の多様性尊重において、ある一つの完成形が生まれたと感じています。

3つのワークショップ

「To know あなたが何かを知るために」公式サイトにあるように、この公演は、現地の参加者と共に3つのワークショップで作品創作を行い、公演では観客参加型となる作品です。
そのために5月ごろより「動物クイズ」という非言語のエチュード(即興演劇)メソッドを確立してきました。この「動物クイズ」は、年齢に関わらず気楽に楽しめ、言語表現に障害のある方でも演劇表現を行えるものです。
かなり完成度も高いので多くの方に利用していただけるよう、今後準備してまいります。

どのような出演者と出会えるか、あしプロメッセンジャーもとても楽しみにしていました!

2つのギフトチケット設定

今回は下記のようなギフトチケットを設けさせていただきました。

・豊岡出演ギフトチケット(参加費負担が難しい方へプレゼント!チケット1枚の購入で1名に出演機会をギフトし本番を鑑賞)
・あしプロ応援チケット(ワークショップと本番を全て鑑賞可能。創作過程を体験し活動の広がりを応援いただけます)

初めての地域にも関わらずこのギフトも無事に成立し、あしプロの意図する「チャンスの贈り合い」が生まれました。

9/21(水)18:00「To know あなたが何かを知るために」映像公開!

早速ですが、公演映像「To know あなたが何かを知るために」を公開いたします。
あしプロとして何を目指すのか、その一つの形になっていると思います。よかったら、お知り合いの方にもシェアしていただけたら嬉しいです!

この舞台を理解することは、とても難しく、とても簡単です。
今の社会に足りないことをどう改善していくのか、何が必要なのか。
よくよく見ると様々な事が見えます。
最後までごゆっくりご覧ください。

演出後記(塩田久人)

★テーマ
障害を持つメンバーをメインキャストとし、社会とつながるきっかけを作るため、社会側(見る側)に観察を強いることで楽しさや不思議さなど答えの無い様々な感情を、自らの目で発見し体感するための舞台を制作する。

★制作動機
障害を持つとされる人々の社会へのつながりを作ろうとするときの壁は社会側に存在し、異質なものをどのように見たらよいか、受け入れたらよいかわからないゆえにつながりの構築が困難になっている現状を、マイノリティを受け入れる準備が必要なのではないか?
様々な体験を自ら発見することにより、それぞれ自分自身の問題としてとらえ考えるきっかけとしてもらいたいと考え制作することとなりました。

★映像の役割
単純な即興劇の退屈さを軽減するとともに、即興劇のシチュエーションをサポートし見る側の興味が途切れない、またカッコよさを追加しより印象に残すために映像を使用しています。
映像自体には舞台全体の大きなテーマやストーリーを展開し即興劇を引き立てる役割をもたせています。

★なぜ、キャストが障害を持つとされるメンバーなのか
彼ら、彼女らの特性として言葉より感じた物を体を使って動きで素直に表現するという点において健常者より優れている場面が多い。そのためわかりにくい即興劇であってもわかりやすい表現を実現できる存在であると考えたため、この舞台のメインキャストとするべきは社会的マイノリティ側である障害を持つとされる人々が最適であると判断しました。

★結果
観客はそこで何が起こっているのか?何か意味があるのか?これはどういうことなのだろう?と目をこらして観覧していたように思います。舞台の最後では、歩み寄るべきは我々であり、豊かな社会を作るために手を伸ばすべきは埋もれた人々である、という意味を込め観客に手を差し出し舞台に上がっていただくなど、出演者だけでなく裏の主役である観客も巻き込む事に成功しました。

★演出雑感
この舞台に言葉はなく、正解を見つけようとするととても困難な舞台です。しかしながら自ら観察し体験を想像する事はある意味とても簡単にできています。なぜなら障害を持つメンバーは、よく観察してみると、わかりにくい物を単純な表現として体で表している場合が多いからです。
しかしながらそれを正解だ!と思ってもはたして本当にそうなのかは舞台を見終わったあともわかりません。もしかしたらAかもしれない、もしかしたらBかもしれない。そう考えることこそ、壁の向こうに閉じ込められた存在に自ら近づくことができ、つながるきっかけになるのではないかと思います。

なんどもなんどもみることで新たな気づきを与え、自ら興味を持つ。
その時に人は一歩踏み出し壁を壊すのか、上るのか、はたまたトンネルを掘るのか、いずれにせよ新しい世界を知ることになるのだろうと、これからの新しく豊かな社会を実現するために必要な舞台になったのではないかと思います。

台風による影響

実際のところ現地の天候は関東よりも荒れていませんでしたが、復路予定の9/19午前~9/20午後まで特急きのさきの計画運休が決まったために、安全な移動方法がなくなってしまい、ホテルに延泊することとしました。

十分に休息も取れ、9/20午後に電車が走るまでの時間で江原散策もできて、落ち着いて元気に帰ることができよかったです。
その反面、運営的には赤字となってしまいました。一旦出演者各自が赤字分を負担しています。
もしよかったら、ぜひご寄付で応援してください。
・Arts fund2021 かるふぁん寄付認定
・シンカブル

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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