県立出石特別支援学校報告(豊岡演劇祭学校プロジェクト)
再度、あしプロメッセンジャーJimmyと代表おどるなつこで豊岡市入り。
さまざまに調整をいただき、9月29日の午前授業で兵庫県立出石特別支援学校高等部の皆さんとのワークショップを行うことができました!
出石は電車の駅のない城下町、前回滞在した江原から、演劇祭事務局スタッフさんの車で移動します。朝方の重い雲も晴れて、田んぼの続く道すがら、秋の空が美しいです。
出石特別支援学校長先生のブログ
ワークショップ終了後に、校長先生が活動報告ブログでご紹介くださいました!
写真もありますのでご覧ください。
校長先生他先生方もずっとご参加くださり、一緒に踊ることができて生徒さんたちも楽しそうでした!
プログラム90分の構成
<パフォーマンス>
1.タップセッション /なつこ&ジミー
2.タップアカペラ /なつこ
3.Permission to dance /ジミー
4.On the sunny side of the street /なつこ&ジミー
5.即興セッション /ジミー&ノブ&なつこ&全員
即興セッションではスタッフのノブさん飛び入り演奏とのコラボ、皆さん踊り出して、体育館がクラブになったような瞬間でした!!
<ワークショップ>
1.ラジオ体操
2.おとたびを履く
3.ずいずいずっころばし
4.コール&レスポンス(名前)
5.河童ブギウギ
6.ひと技伝授クランプロール
ワークショップはあしプロ定番のプログラムです。先生方の表現でやはり生徒さん盛り上がりますね!
<先生方ご感想>
こんなになるとは思っていなかった。
ふだん参加の難しい生徒が最後まで楽しんでいた。
教えたり指示するのではなくその子の持つ力を引き出すという面で気づきの多い時間でした。
タップダンスの非言語コミュニケーションの側面
7月に事前打ち合わせに伺わせていただいた際、内容について、いくつかやりとりさせていただきました。
・芸能としてのスキルを教えるワークショップではないこと。
・タップダンスの成り立ちに即し、非言語コミュニケーションとして広げていること。
・言葉にならない感情や気分をそのままやりとりすれば良いこと。
人のコミュニケーションの言葉の比重は実は3割、残りの7割が目線や仕草といった非言語コミュニケーションによると言われています。タップダンスは奴隷制度の中で文化を奪われたアフリカンアメリカンの方々があしおとのリズムで気分を伝え合った日々から紡がれてきています。あしプロでは、これらをタップの本質と捉えて、非言語コミュニケーションワークショップのプログラムにしてきています。
お互いを模倣してみる
タップにはコール&レスポンスという伝え合い方があります。誰かの表現を全員で模倣して応える。ここには優劣はありません。じっと見て、模倣することが、相手への理解につながります。
出石特別支援学校高等部の皆さんも、そのやりとりをとても楽しまれた様子で、終了後の教室では「こんちは、さようなら」をタップダンスで表す遊びが行われていたそうです。タップの本質を捉えていただき嬉しいです!
豊岡演劇祭実行委員会の皆様へ感謝!
このような地域連携企画が、大きな演劇祭の一環として行われることには大きな意義があると思います。地域の暮らしにアートが根を下ろしていくことが、どんな豊かさを育むか、支援学校の若者の様子からもそれは想像できること。届きにくい人の日常にアートを滑り込ませることは、アーティストの腕の見せ所とも言えます。アーティストにとっては日々アートを行うことは日常なので。
あしプロメッセンジャーたちも、とても大きな経験をさせていただきました。
福祉施設に所属する彼らにとって、仲間との旅は支援学校の修学旅行以来の体験であることが多いのです。家族から離れて一人部屋に宿泊し、仕事としてパフォーマンスをすること。仲間との楽しさ、一人で舞台の支度をととのえる時間の過ごし方、参加してくださった方々との交流。
この体験でまた一つ、大きく成長してくことと思います。
今回も取材に来てくださっていました神戸新聞さん、9/18公演記事もご覧ください。
https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/202209/0015653790.shtml
さまざまに調整くださいました、学校の皆様、豊岡演劇祭実行委員会の皆様、市役所のご担当者様、有意義な場づくりにご尽力いただき、ありがとうございました!
脈々とこのようなエネルギーを継続していければと思っています。今後も連携をつなげ、深めて行けたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします!